わたしの家は、まったくひどい家庭でした。
精神科の主治医には「食生活」「運動」「映画」を勧められていました。
映画は、健全な人間関係を知るためのアドバイスです。
もちろん、フィクションではありますが、その分純粋で、また、強調されているから、ASDのわたしでも、表情や文脈が読みやすいので、感情の変化がわかりやすいのが利点でした。
その後、紆余曲折あって、塾講師になりました。
塾講師になった理由には、短い時間の労働、大人の男との接触が少ない、ということがありましたが、結果的によかったのは「様々な家庭を見ることができる」ということでした。
最初、親に愛されている、適切に育てられている子供を見るのは、嫉妬に駆られることもありました。
わたしに与えられないものが、与えられているので、苦しくなることもありました。
でも、自分が子供を産む前に、そうした嫉妬や妬みに気づけたのはよかったです。
普通の親がしないこと、すること、完ぺきじゃないことを、生々しく知ることができたのはよかったです。
秘密がなく、病院に連れて行ってもらい、感情のケアをされ、ほしいものや衣服を買ってもらったり、もらえなかったり、腐ったものは食べさせられない、覗きをされない、成長を喜ばれる、などなどなど。
わたしのパートナーの親御さんにも会いましたが、普通の人でした。
パートナー本人は、子供時代の記憶があまりないようですが、きちんと育てられたんだなということが、よく伝わってきました。
わたし一人で育てるのには、不安がありますが、パートナーが健全に育っているので、バランスはとれるんじゃないかな、と思っています。もし、うまくいかなかったら、外部に助けを求めるつもりです。
職場の人も、お客さんも、当然子供が好きな人たちです。
だから、相談する相手には事欠かないと思います。