自分の乳首がね、大きくなって黒くなってね。
— コニー(キューティ) (@52qt) 2017年7月24日
小さくてピンクで好きだったの。
毎日喪失してる。
でも、戦いの証なんだよね。
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このコラムを読んで、「自分の乳首が好きだったな」と思った。
妊娠して、乳首が、大きくなり、黒くなった。
わたしの乳首は、乳輪が小さく、ピンクで、かなり、好きだと思っていた。
でも、もう、今はない。
似たようなことで、体の変化に喪失感を感じることはよくある。
わたしは、アトピーがあって、体中に傷がある。
もう、治らない跡もある。
そして、数万人に一人の割合である、シミが無数にできる、という遺伝の病気もある。
だから、わたしには、シミがたくさんある。レーザーでは消えないらしい。将来には、わからないけれども。
最初、とても悲しかった。それを家族に言われて、シミを作らないように、夏でも長袖を着ろ、そして、隠せ、色が白いほうがいいといわれたことが苦痛だった。
ナチュラルなものやスピリチュアルや、健康関係の商売をしている人に会うと、心を削れるようなことを言われる。最終的に商売にするためだ。
でも、わたしのシミは、悪影響のあるものじゃない。また、モザイク型といって、人に「病気だから警戒しないといけない」と思われやすい種類の見た目じゃない。
だから、ほとんどの人は、気にしない。気づいても、日焼けしやすいんだな、と思う人のほうが普通だ。
だから、だんだん気にしなくなってきた。
カメラマンに「シミはその人の風合いですよ」と言われたことも大きい。それから、ポジティブに思えるようになった。つるつるの白い紙じゃなくて、風合いのある紙だって好きだ。布でも、生成りのものを使うことある。
わたしの傷や、体形、そういうものを「生きてきた証であり勲章」と思ってもらえる人だけと、関わるためのフィルターにして、そして、そういうものを美しいと感じて、それをわたしに伝える人とだけ関わろうと思うようになった。
そういう価値観の中で生きたいから。
でも、急激な体の変形のたびに、喪失感に襲われるのは否めない。
ただ、わたしは、今、懸命に、体の中の他人を育てていて、そのために、無茶をたくさんしてくれている。
先生の言う通りの体重管理はなかなかできないけど、そのために、無痛分娩の実現が難しいらしいけど、それでも、今まで胎児を殺さないように、過ごせてきた。
さよなら、わたしの乳首。
こんにちは、新しい赤ちゃんのための乳首。
毎日、わたしは、血を、乳に変えて、赤ちゃんの食べ物になる。
時間も体力も精神力も、与えることになる、新しい他人よ。
この世に引きずり出すことに、ためらいがないわけじゃないけれど、わたしはあなたにとても会いたい。
だから、わたしは、わたしの今までの体にサヨナラして、その代わり、新しいあなたに会うよ。
わたしは、自分の乳首を好きだった。
思春期前の、平らな胸、点みたいな乳首とお別れするときも、悲しかった。
でも、乗り越えた。
今度も乗り越えられると思う。
新しい乳首や、新しい体、新しい顔を好きになれるといい。
そのために、わたしは、他人を必要とする。