生まれませんでした。
うえーん。
おととい、出産する夢を見て、陣痛らしきものを感じたので「これは…!」と思いましたが、またしても、前駆陣痛でした。
前回の前駆陣痛から二週間たっています。
前駆陣痛は陣痛の練習じゃなかったのか!
先生にも「大きいおなかだねえ」と言われ、そして、「下がってきてないねえ」と言われました。次の診察は一週間後です。
ほとんど何も言われない病院で、出産予定日前後でも「一週間に一度」のペースの診察です。今まで言われたのは「おなかが大きい」「これ以上は太らないで」くらい。
不愛想ですが、優しい先生です。そして、いつ寝ているのかわからない。
ブラックジョークも飛び出します。
「学生の時、分娩中に夫婦げんかして、おなかをたたかれて出血多量で亡くなった妊婦さんがいるから、立ち合い出産の時には喧嘩しないでねー」とのこと。たぶん、四十年から五十年前のことだと思いますが。
「前には、ほかにも無痛分娩している人いたんだけど、もう死んじゃった」とか。
こういう先生が好きです!
いつ寝ているんじゃ!と思うほど常に働いている。
精神科の主治医と同級生で、主治医が「いつ寝てるの?」と聞いたら「空いている時間」と答えたそう。たぶん、一度も旅行などしたことがない人生なんじゃないかなあ。
おなかはみちみちになっていて、目でも胎児の体がわかるくらい。
動くとかわいい。
本当にかわいい。
産まれちゃうと親離れだね!なんて話してます。独立して呼吸できるんだから、もう、独り立ちじゃん。今は何もできないくせに…。とはいえ、へその緒で生活しているんだからなあ。
今は胎児も、骨伝導で、音はクリアに聞こえるそうです。
目も見えるから、明るさもわかるらしい。また、わたしの精神状態もわかるらしい。
連れ合いには、「お前の睾丸が七キロに腫れ上がって、しかも、精巣が動いて、尿道から三キロの何かが出てくることを想像したまえ」と伝えています。
早く生まれてほしいので、ため息ばかりでますが、もう少し、おなかにいるのを楽しめばいいかなと思います。
若いころだと精神的な余裕がなかったかと思うので、この年で、妊婦も悪くないなと思います。若いころは男を見る目がなかったから、結婚してたら、悲惨だっただろう!
ポリアモリー的な生活はあまりしていないです。あんまり、興味がなくなって……。だって、向こうも大人だからほっといても、生きてるだろうし。なんか、話も合わなくなってきたし、成立しないからもういいかな……。
それにしても、自分の子供っぽさが全く減らないので、驚きます。
親になったら、年を取ったら、もっと大人になるのかなと思っていたのですが、全然変わりませんね。とはいえ、人から相談されることも増えたので、そこは年相応になったのかもしれません。
若いお母さんたちを見ると「すごい、若い、キレイ」と思い、びびります。そして、落ち込みます。
自分が、子供製造機になって、もはや、後進に道を譲る立場なのだな、みたいな感じ。
子供を産めば、人生の選択肢も確実に減る。やりたいこともできなくなる。
ネガティブな要素も多いのになぜ産みたかったのか。
それはなんとなく。いろいろ考えた上でのなんとなくなんですが、説明が難しい。
考えないから産める、という人もいて、ちょっと驚いたことがありますが、わたしは考えた上で、なんとなく産もうかなと思いました。複雑すぎてまとめるとなんとなくになる。
とはいえ、妊娠出産自体も思うようにいかないということで、胎児とはいえ、他人です。
生まれてからはもっと他人になる。
どんどん他人になっていって、まったく関係がなくなったときに、親離れ子離れができるのかと思うと、二十年後が楽しみです。
思うようにならないことから始まって、思うようにならないことで終わればいいなと思います。たぶん、少なくとも来週には産む予定です。それ以上になると、危険ですからね。
おなかは、時々張って、脂汗が出るほど痛いのですが、それも、陣痛ではないので、むだに痛くて損した!という気持ちになります。
早く赤ちゃんを連れ合いに会わせたいな。わたしはともかく、つれあいはいい人ですから、赤ちゃんにとって、いい家庭を築きたいです。